最終更新: 2008/12/05 21:15

スーパーニュースニュースJAPANスピークスーパーニュース WEEKEND新報道2001

Inside America

アメリカ政治報告

(This report is also available in its original English version.)

ジョージ・パッカード氏

ジョージ・パッカード氏略歴
国際大学学長、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授、
アジア財団理事、日米財団会長

1956年駐留米軍少尉の時、初来日。東京大学社会科学研究所に留学。63〜65年ライシャワー駐日米大使の特別補佐官。79年からワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)学長を務める。94年4月新潟県南魚沼郡大和町の国際大学学長に就任。98年3月日米財団の会長に就任。米国を代表する知日派の1人。

パッカード・レポート1月

 新年を迎えたアメリカでは、国民の政治・政府への関心が過去最低となっている。全国の観客に「インサイダー」情報を提供して、巨額な出演料をもらっていたワシントンのメディア・スターの火は消えた。世論調査で見る限り、アメリカ人は、

1)ワシントンを変えようとすることをあきらめている
2)無関心になっている
3)前例のないこの好調期を満喫している

のどれかである。

 これを背景に、クリントン政権は重大な問題を4つ抱えていて、どれも2〜3カ月以内に頂点に達する可能性がある。
  1. アジアの経済問題がアメリカのバブルを壊すことになるかもしれない
     昨年の夏、タイで始まった通貨暴落の波は、70年代に起きたオイルショック同様の事態を引き起こす可能性がある、と悲観主義者は忠告する。
     これに対し、楽観的な考えを持つ人は、アメリカ経済の大部分がいまだに内向的な事を指摘する。現に、GDPのわずか11%が輸出からきている。又、輸出品の10%以下が最も問題となっているアジア国に向けられている。アジアから物をより安く輸入すれば、インフレと金利を押さえることができるという。
     逆に、悲観的な人は、アジアから安い輸入品が入ってくればアメリカの貿易赤字がさらに増え、この数年で築き上げてきた自由貿易の方針から議会を遠ざけることになることを恐れている。赤字の正式な数字は2月中旬に発表されるが、主に中国や日本に対して、ワシントンからグチが聞こえてくるでしょう。

  2. イラク情勢にいつ火がついてもおかしくない
     今の緊迫した状態を保つのが有利とサダム・フセインは見ているようで、前回も報告したように、アメリカは生物や化学兵器による脅威に対応する方法を早急に見いださなければならない。クリントン大統領も、次回はより厳しい処置が求められるでしょう。しかし、暗やみの中にも光があり、最近になってイランとの和解に向けて一歩踏み出し始めた。「敵の敵とは味方になれ」という考えが強まっている。イランの新大統領も興味を示している。

  3. 再びポーラ・ジョーンズ
     今では有名となったセクハラ裁判で、ポーラ・ジョーンズの弁護士がクリントン大統領を事情聴取するため、彼女が実際にホワイトハウス入りし、2人の直接対面が予定される1月17日以降、アメリカのメディアがヘッドラインに大きく取り上げるのは間違いない。メディアは出席しないことになっているが、いずれ証言が漏れ、一般にも公開されるでしょう。彼女の訴えが本当かどうかに関わらず、大統領にとってはマイナスにしかならない。

  4. 予算問題
     今年こそ予算をバランスできる可能性が見えてきたことから、立法者は再びお金を使う方法や税金を引き下げる方法を考えている。しかし、経済専門家及び国民の大半はこれがいかにばかげたアイデアかということをよく理解している。今必要なのは、膨大な国家赤字の削減及び、ベビーブーマー時代の人が定年を迎える約12年先までに厚生年金とメディケア(健康保険制度)の倒産を防ぐことだ。ブルッキングズ・インスティチュートのロバート・ライシャワーが1月9日付のニューヨーク・タイムズで述べているように、「10年先に予測されている予算黒字は錯覚に過ぎない」。この問題をめぐり、人気獲得を目指す議員の間で激しい議論が予想される。

  5. 日本
     日本政府の考えがこれほど不透明に感じられたことはない。自分のためでもあるのに、なぜ橋本政権がいまだに金融危機を浄化し、国内の需要を刺激し、タイ、インドネシアや韓国などの経済を安定させる方策を打ち出していないのか、日本関係の専門家も不思議に思っている。
冒頭でも述べたように、これらの問題はあくまで関係者らが心配している点で、アメリカ全体に行き渡っているわけではない。

−ジョージ・パッカード

- 日本語 バージョン アーカイブ -

2008/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2007/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2006/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2005/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2004/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2003/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
1999/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
1998/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10&11月 | 12月