最終更新: 2008/08/20 12:20

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Inside America

アメリカ政治報告

(This report is also available in its original English version.)

ジョージ・パッカード氏

ジョージ・パッカード氏略歴
国際大学学長、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授、
アジア財団理事、日米財団会長

1956年駐留米軍少尉の時、初来日。東京大学社会科学研究所に留学。63〜65年ライシャワー駐日米大使の特別補佐官。79年からワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)学長を務める。94年4月新潟県南魚沼郡大和町の国際大学学長に就任。98年3月日米財団の会長に就任。米国を代表する知日派の1人。

パッカード・レポート5月

表面上、日米関係は平和に見えるかも知れないが、雲行きの怪しい点が3つあって、99年に入って、これらの問題が悪化する可能性もある。

まず、クリントンは積極的に中国との関係に取り組んでいる。理由は、ホワイトハウスを取り巻くスキャンダルからメディアの気をそらすため、そして、それ以上に、東アジアにおいてまとまりつつある新体制の中、アメリカはこれまでのように日本を強力なパートナーとして見ないかもしれない事を伝えるための戦略的な姿勢だ。

「Foreign Affairs」誌の5・6月号でエドワード・リンカーン博士は、各国政府の考えを代表するともいえることを書いた。

対日関係のその他の分野で、アメリカはより直接的な姿勢を取るべきだ。日米関係では、さまざまな協議協定が結ばれているが、単純にアメリカ側が協議に応じなければいい。会議をキャンセルしたり、折り返しの電話や米政策の事前報告をしない事で、日本をパートナーとして見ていない事を伝えることができる。世界第2位の経済大国に対して、これはちょっと極端のようではあるが、今のままでは、周りをも巻き込みかねない傾向から日本を脱出させるには、他の方法はないかもしれない。

「ワシントンポスト」紙は早速5月8日の新聞でこの考えに対する反論の記事を掲載した。

友人が困っている時は、けっ飛ばせ。これが日本に対して最近アメリカが示している態度だ。80年代に日本が見せたごう慢さからすると理解できないわけではないが、決して良い方針とはいえない。やっかいなときもあるが、良き友だ。今になってそのことを忘れるのは間違っている。

ワシントンで「ポスト」の考えに同意する人はあまりいない。リンカーンの考え方がかなり浸透している。簡単に説明すると、

 日本経済は身動きがとれない状態で、それを解決できそうなリーダー的存在もいない。よって、日本を素通りし、好きなだけ侮辱してもよい。日本はもはや世界的なプレーヤーではない。先月、オルブライト米国務長官が北京と東京で述べたように、アメリカの新しい戦略的なパートナーは中国だ。

クリントンが6月の中国訪問を計画した際、大半の人がこの考えに同意した。行きか帰りに、東京に立ち寄るべきか? 「イエス」と答えた人も数人いたが、「ノー」とアドバイスした人が圧倒的に多かった。6月に韓国の金大中大統領が盛大なウェルカムを受ける。日本だけが取り残されていく。一部ではあるが、リンカーンの考え方が実行に移されている現れだ。橋本首相の機嫌を取るため、9月にワシントンで首脳会談が予定されているようだが、それには自民党が7月の参議院選挙に勝たなければならない。

また、民主党の菅直人代表が受けた盛大なレセプションは、橋本首相の後継者探しという見方もある。今までとは打って変わった態度だ。村山富市に代わって総理大臣に就任した96年1月、アメリカはホッとした。この人なら話が分かる、と橋本を歓迎した。しかし今は、なかなか日本の経済を活性化しようとしない橋本首相の対応を不思議に思っている。ゴールデンウィーク中に訪米し、シンクタンクを回った国会議員(中山一郎、池田行彦等)の説明も納得いくものではなかった。

菅代表は中曽根以来の好印象を与えた。明確、率直、かつチャーミング。日本政府に対する攻撃的な発言も、これまで何年もMOFやMITIに悩まされてきた人たちに受けた。

その他の問題点は、
1) 巨額な98年対日貿易赤字。今の傾向が続けば、80年代半ばのレベルに逆戻りする恐れがある。そうすると、米議会は再び保守的になる。特に、アメリカのバブル経済が崩壊するようなことがあれば...。

2) インドネシアやタイなどの経済問題に対する日本の無関心な態度。輸入を増やすことで助けようとしない日本の姿勢にワシントンは我慢の限界に達している。日本は自分のことしか考えていない、このままの状況が続けば世界中が不況に陥る危険性があることに気付いていない、との意見が強まっている。 ワシントンにいる日本の真の味方は、この状況に驚きを隠しきれないが、守りに入ってしまっている。数は敵の方が圧倒的に多い。これまでの発言はポストと同様で、「日本は立ち直り、再びメジャープレーヤーとなる。きっとみんなが思っている以上に早く」このような短期的な問題で、これまで築き上げてきた友好関係を水に流すのはバカげている。それに、中国と違って、アメリカと日本は目指すものも、価値観も似ている。

だけど、日本の助けが必要だ。

−ジョージ・パッカード

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