ジョージ・パッカード氏略歴
国際大学学長、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授、
アジア財団理事、日米財団会長
1956年駐留米軍少尉の時、初来日。東京大学社会科学研究所に留学。63〜65年ライシャワー駐日米大使の特別補佐官。79年からワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)学長を務める。94年4月新潟県南魚沼郡大和町の国際大学学長に就任。98年3月日米財団の会長に就任。米国を代表する知日派の1人。
ワシントンレポート Feb. 2005
今、ワシントンには勝利の空気が流れている。ブッシュのホワイトハウス、ペンタゴン、共和党議員、そしてネオコンのメディア連中は、劇的大成功をうたい、テロとの闘いにおけるブッシュの指導力に得意満面である。
テロリストの脅しに屈することなく投票に行ったイラクの人々の数は、確かにその行方を見守っていたほとんどの人間にとってうれしい驚きだった。実際の数は、まだわからないが、一般にいわれている統計によると、有権者の60%ほどが実際に投票に行ったという。この間の米大統領選の投票率よりも高い数字である。
ブッシュは間違いなくこの功績を、2月2日・水曜の夜に行われる一般教書演説に盛り込むだろう。しかし、賞賛はそう長くは続かないかもしれない。
テロ活動が、いきなりやむとは誰も思わない。選挙直前に米国大使館の敷地にロケット弾が打ち込まれたことは、バグダッドの「グリーンゾーン(米軍管轄区域)」ですら危険な場所であることを示している。
民主党の連中や反戦指導者たちは、今やどうやって退却するかの戦略に焦点を定め、現在15万を数える米軍の漸次撤退を求めるだろう。実際、戦争が下火になりつつあると強調するためにブッシュが近々軍隊の一部を撤退させることは考えられる。
しかし1,400人を超える死者と1万にものぼる負傷者といった米国人の犠牲は、世論調査やペンタゴンにも影響を及ぼしている。世間は、戦争反対と賛成の間でほとんど真っ二つに分かれており、このまま犠牲者が増え続ければ、イラクにアメリカが介入し続けることに対し、強い反対の声が上がるのは必至だろう。
もっと重要なのは、イラクの秩序をむしばんでいるこの種の暴動と闘うための装備も訓練も、米軍は持ち合わせていないとの強い主張がペンタゴン高官たちの中にあることだ。日ごろ機密情報管理の行き届いた国防省から多くのうわさが漏れており、その多くがドナルド・ラムズフェルドとポール・ウォルフォウィッツの批判に集中している。
一方、民主党内では、2008年の大統領選に向け、誰が党を引っ張って立つのかという別の闘いが繰り広げられている。ハワード・ディーンが民主党全国委員長になるべく、強く働きかけているが、もし彼が勝ったら、党は、はっきりと左に傾くだろう。
ヒラリーとビル・クリントンは、陰でひそかにディーンと張り合っているし、穏健層あるいは中道層の支持をもっと得るために、ヒラリー自身自らの過激なフェミニストといったイメージを和らげようとしている。新ダークホースも浮上してきている。ニュージャージーの大富豪上院議員、ジョン・コーザインである(彼はゴールドマン・サックスでもうけた6,500万ドルで議席を買ったのだ)。彼は、ニュージャージーの知事選出馬を表明しており、これは民主党の大統領候補選出に向けた第1歩とみられているのだ。
また、ジョン・ケリーがあきらめていないのも明らかだ。彼は、前回の民主党候補としての名声と選挙キャンペーンで残った1,600万ドルを使って放送電波を独り占めし、国内の問題について発言している。けれども、彼が2008年の指名のチャンスを得る可能性はほとんどないだろう。多くの人が、彼を勝つはずだったのに負けた無能な候補と見ているからだ。
ブッシュは、新たに設置された国家情報長官のポストに誰を座らせるかで困っている。おそらくCIAとペンタゴンに対する権限があまりにもあいまいなためだろう。何人かがすでにこの職を辞退している。
コンドリーザ・ライスは、北朝鮮との平和プロセスに着手したり、新たにイスラエル・パレスチナ間のごたごたにかかわっていくことをかんがみて、国務省の人選を行った。ジョン・ボルトンが国務次官の職から外されたことには期待が持てる。まあその結果、彼はチェイニー副大統領の所に行くかもしれないけれど。親イスラエル派、ダグラス・フェイスのペンタゴンNo.3からの「辞任」も、あわせていい兆候だ。
ブッシュは必ず、トム・シーファーを駐日大使に任命するだろう。彼は、現赴任先のオーストラリアからワシントンへやって来て、日米関係についての幅広い説明を受けることになっている。
−ジョージ・パッカード
- 日本語 バージョン アーカイブ -
2008/
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2007/
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 | 11月 |
12月
2006/ 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 | 8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月
2005/ 1月 |
2月 |
3月 |
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2004/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
9月 | 10月 |
11月 | 12月
2003/ 1月 |
2月 | 3月 |
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
9月 | 10月 | 11月 |
12月
1999/ 1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
1998/
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 | 7月 |
8月 |
9月 |
10&11月 |
12月