最終更新: 2008/09/06 02:04

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Inside America

アメリカ政治報告

(This report is also available in its original English version.)

ジョージ・パッカード氏

ジョージ・パッカード氏略歴
国際大学学長、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授、
アジア財団理事、日米財団会長

1956年駐留米軍少尉の時、初来日。東京大学社会科学研究所に留学。63〜65年ライシャワー駐日米大使の特別補佐官。79年からワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)学長を務める。94年4月新潟県南魚沼郡大和町の国際大学学長に就任。98年3月日米財団の会長に就任。米国を代表する知日派の1人。

ワシントン レポート April 2005

「ごまかし」は続く。米国民、そして、もちろん主要メディアは、今やブッシュ政権がイラク戦争に突入する前についたうそについて知っている。イラクに大量破壊兵器があるといったうそ、そして、アルカイダとサダム・フセイン政権の間につながりがあるといったうそである。

大統領指名の9人のメンバーからなる調査委員会が3月末に発表した601ページにわたるレポートは、15の米情報機関がアメリカの信頼性に傷をつけたと非難した。要するに、委員会は、この破滅的戦争のすべての責任は情報機関にあるとして、当の情報をねじ曲げたり誤って使用したりした官僚の誰ひとりをも責めることはなかったのである。

誰にも責任はないとされ、どの政策責任者にも非はないとされた。しかし、当時の報告から、われわれは副大統領のディック・チェイニーが個人的にCIAに足しげく通い、調査官たちに、イラクがホワイトハウスのメーンターゲットだと説いていたことを知っている。国防省副長官のポール・ウォルフォウィッツと国防次官のダグラス・フェースの両方が、イラクを悪者にし、これに対応しない証拠をもみ消すための別個の情報チームをペンタゴンの中に作る画策をしたことを知っている。

コリン・パウエル前国務長官は先週、国連安全保障理事会での証言の直前に間違った情報を与えられ、イラクが大量破壊兵器を開発していると発言するに至ったことに関して「怒りを感じている」とドイツのある情報誌に明かした。パウエルが憤りのあまり、自らの知っている真実すべてをぶちまけるのではないかと見る向きもあるが、そうなればブッシュにとって壊滅的出来事だ。しかし、今のところ彼は「忠実な一兵」を演じている。

過ちを犯したことを認める代わりに(そんなことをしたら、個人をやり玉にあげ、クビにしなければならない)、ブッシュ政権は、その原因となった当人たちを格上げすることによって、ずうずうしくも失策を押し通そうとしている。ウォルフォウィッツは世界銀行総裁というたいそうな仕事を与えられた。フェースは静かに引退することを許され、その当時CIA長官だったジョージ・テネットには自由勲章が与えられた。チェイニーとラムズフェルドは無傷のまま残っている。

しかし、新たな時限爆弾は刻々と時を刻んでいる。ことし2月、国家安全保障会議高官のマイケル・グリーンは、東京の小泉首相のもとを単身で訪れ、同時に、ソウルと北京で盧大統領と胡主席とも北朝鮮の核開発計画について対談した。グリーンは、米国は、リビアで見つかった核物質が北朝鮮から運ばれたものだと証明できると伝えている。

これがもし確かならば、北朝鮮とその核開発計画に関する6カ国協議を骨抜きにすることができる。チェイニーやほかの強硬派たちがもくろんでいる動きである。それに対して、コンドリーザ・ライスは、国務長官として、あくまで協議を再開しようとしているように思える。

ワシントンポストは、信頼性のある筋からのものとして、グリーンの情報は不正確で誤解を招くと報じた。同紙は、匿名の2人の情報提供者の核物質は確かに北朝鮮から出たものだが、売られた先はパキスタンで、それがリビアに転売されたという話を載せている。

もしこれが事実で、グリーンがうそをつくためにアジアに送られたのだとしたら、ひどいことになるだろう。しかし、今のところメディアはこの話について突っ込むことができないでいる。実際、3月31日のニューヨークタイムズの長い分析の中では、どちらが正しくてどちらが間違っているのかについては触れられていない。

この政権が抱えているうそ八百を思えば、遅かれ早かれ、政府高官の誰かが進み出て、ブッシュ政権のまやかしと巧妙な「誘導操作」について明らかにするだろう。 それが起こるときまで、彼らは勝利の道を依然として進み、自分たちは不死身だと思い続けることだろう。

−ジョージ・パッカード

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