最終更新: 2008/12/05 21:07

スーパーニュースニュースJAPANスピークスーパーニュース WEEKEND新報道2001

Inside America

アメリカ政治報告

(This report is also available in its original English version.)

ジョージ・パッカード氏

ジョージ・パッカード氏略歴
国際大学学長、ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)教授、
アジア財団理事、日米財団会長

1956年駐留米軍少尉の時、初来日。東京大学社会科学研究所に留学。63〜65年ライシャワー駐日米大使の特別補佐官。79年からワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)学長を務める。94年4月新潟県南魚沼郡大和町の国際大学学長に就任。98年3月日米財団の会長に就任。米国を代表する知日派の1人。

ワシントンリポート Mar. 2006

ホワイトハウスから威勢よく響いてくる晴れ晴れした楽観論に反して、この1カ月というもの、ブッシュ大統領の外交政策にほころびが見え始めたことが明らかになってきた。
  • イラクのシーア派とスンニ派の争いは、内戦へと急速な変化を遂げており、現場のアメリカ軍の兵力では抑えつけることができなくなっている。

  • EUは、ワシントンに逆らって、じきハマスに受け継がれることになるパレスチナ自治政府に急きょ経済援助を申し出た。アメリカは、ハマスはいまだ、経済援助を受けるに値しないテロ組織だと主張しており、援助を見合わせるとして、イスラエルに同調している。

  • チェイニー副大統領とライス国務長官は、ロシアに関するアメリカ外交政策の指揮権をめぐって静かな闘いを繰り広げている。チェイニーが、プーチンとのかたをつけたがっている一方、ロシア情勢の専門家でロシア語を話すライスは、もっと現実的なアプローチを試みるつもりでいる。

  • 2月28日に公表された、イラクのアメリカ兵に対する初めての聞き取り調査には、この国を脱出したい兵士たちの悲痛な思いが反映されていた。調査を受けた72%の兵士が、アメリカは1年以内に撤退すべきだと答え、そのうちの22%が直ちに帰りたいと答えたのである。これは、昨年の秋、巧みに準備され演出された衛星放送を通してブッシュの質問に陽気に答えていた兵士たちの姿とは、はっきり異なっている。

  • 先週、ドナルド・ラムズフェルド国防長官は、ニューヨークの権威ある外交問題評議会の場で発言した際に、イラク政策が“なっていない”と手厳しい批判を受けた。アメリカが今必要としているのは、戦局に関するもっとましなプロパガンダだけだと、ラミーは切り返したが、聴衆からは、彼は依然としてわかっちゃいないとの声が聞かれた。これは、イスラム世界の“心”に関する戦いなのだ。

  • ワシントンからの強い警告にもかかわらず、台湾の陳水扁総統は、国家統一綱領を廃止し、独立国家への道を歩もうとしている。これが実現に向けて動き出せば、米中関係はおそらく危機的状況になるだろう。
どうやら、数カ月のうちにラムズフェルドは辞任を余儀なくされそうである。ブッシュ大統領と彼の政策相談役であるカール・ローブが心配しているのは、上に述べたような事態が悪化の一途をたどれば、11月の連邦議会選挙で共和党が大きな痛手を被るのではないかということなのだ。

ホワイトハウス関連で、1つ明るい話題といえば、日米関係である。ブッシュは、小泉首相が信頼に足る友であり、同士だと確信しているのだ。とはいえ、小泉首相の靖国神社参拝に関しては、やはり考えを改めている向きもあるようだ。米政府内外の有力な政策関係者たちが、靖国参拝における小泉首相の立場に批判を強めている。ニューヨーク・タイムスの社説に至っては、麻生外相を「日本の無礼な外相!」と呼んで攻撃さえしている。友好的同盟国の閣僚個人を名指ししたものとして、ほとんど前例を見ないものである。

最後に、タイム誌は、半ページにわたるフィギュアスケート女子のメダル表彰式の写真を掲載する中で、日本を完全に侮辱した。鮮明なカラー写真は、銀メダルのサーシャ・コーエンと銅メダルのイリーナ・スルツカヤがそれぞれ両脇に陣取る中、荒川静香が金メダルをもらうために、表彰台に上がる直前の瞬間を写しており、勝者のステージが空っぽというものだった。これは、極端な形での“ジャパン・パッシング(日本外し)”であって、分別があるとはいえない。

−ジョージ・パッカード

- 日本語 バージョン アーカイブ -

2008/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2007/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2006/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2005/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2004/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
2003/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
1999/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月
1998/ 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10&11月 | 12月