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タイの2大政党に対する裁判

タクシン前首相の率いた旧与党“タイ愛国党”や最大野党“民主党”などの選挙違反に対する裁判が5月30日、タイの憲法裁判所で行われた。

今回の裁判で、タイの2大政党に解党命令が出ると、各党の支持者による抗議集会や暴動へと発展する可能性があるため、バンコク市内には、多数の警察官や兵士が配置され、われわれにも緊張が走った。

午前10時ごろから、タイのローカルTVでは、一斉に裁判報道が始まった。裁判所前にも各党の関係者が続々と集結。裁判所周辺では、爆弾テロを警戒した政府が、携帯電話の使用に規制をかけ、爆弾の遠隔操作を封じた。

タイ愛国党前では、巨大なモニターが設置され、多数の支持者がモニター前に座り込み、裁判の行方を見守っていた。午後になって、憲法裁判所はまず、最大野党の民主党に“無罪”の判決を下し、同党幹部に対しても政治活動の継続を認めた。この瞬間、愛国党前では、大きな拍手と歓声が沸き起こったが、肝心のタイ愛国党の判決が出るのは、深夜にまで及ぶのではとの憶測が流れた。

日中の気温は、すでに40度を超えていた。ただひたすら、直射日光にさらされた党の入口で判決を待っていると、脳みそが沸騰してきそうな感覚に陥った。
モニターの前から誰ひとり、動き出すものはいない。こうした中、愛国党の関係者から支持者へ、ライチやパンなどが支給された。さすが、農村部を中心に強い支持を得ているだけのことはある。支持者への施しが厚い。しかし、中には、商魂たくましく、小さな仏像を売りさばく人もいた。驚くことに、売るものもさることながら、それを買い求める支持者もたくさんいた。買いに走った人々は、神に祈る思いで裁判の行方を見守っていたのだろうか。

法廷内では、6人の裁判官が交代で、延々と厚い冊子を読み上げていた。日付が変わるころになってやっと、タイ愛国党を解党処分とする有罪判決が下った。これによって、タクシン前首相をはじめ、当時の愛国党幹部111人が、5年間の政治活動禁止となった。党の前では、幹部たちが、現在の軍事政権に対して熱弁を振るい始めたが、幸いにして、大きな暴動へと発展することはなく、長い1日は終わった。

クーデターから民生復帰を目指すタイでは、ことしの12月に総選挙を予定している。
今回の判決で、これまでの政界を担ってきた者のほとんどが排除されることになった。政治的混乱が続くタイだが、今後は、現在の暫定政権と民主党が軸となって編成されていくのだろうか。次の選挙では、どんな結果がもたらされるのかが注目される。


 

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