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神崎 博
 
各国に取材に出かけると必ず、わたしたちは行った国々で、その土地に根ざした食べ物を探し求めます。それを食べると、その土地の文化が体感できるような気がするからです。そうした食べ物が売られているのは屋台。これに限ります。ディープなほどたまりません! ここでは、そんな「屋台景色」をお伝えします。
 
ソウルフードと北朝鮮ビール

ソウルといえば、焼き肉。何といっても「牛カルビ!」という印象ですが、実は「豚バラ肉」もお勧めです。

 

油の乗ったサイコロ状の豚肉を鉄板で焼きますが、この鉄板に細工があって、肉からしみ出た脂は外に流れ出るようになっています。余分な脂が落ちた豚肉をゴマの葉っぱやサニーレタスに包んで、パムチム(ねぎサラダ)にみそをつけて、丸ごとほおばります。脂身と野菜のバランスが良く、お口の中には、ジューシーな味わいが広がります。これなら日本の焼き肉のように「肉、肉、肉」という感じでもなく、野菜も一緒に食べられて、とってもヘルシーです。

その韓国で出くわしたお隣の国・北朝鮮の味が「デドンガンビール」。平壌(ピョンヤン)市内を流れる大同江(デドンガン)がその名の由来です。お味の方は、けっこうコクがあってなかなかのお味。あっさりした韓国ビールより、日本人好みかもしれません。

東南アジア駐在ながら、実は辛いものが苦手なわたしですが、激辛天国韓国で「辛くないもの」を探すのは一苦労します。そんなわたしが出会った逸品は、「韓国版茶碗蒸(ケランチム)」。ふわふわの食感とマイルドな味わいが、辛い韓国料理のはし休めとしてぴったり。辛いもので疲れ気味の胃袋にどうぞ。


台湾本場小籠包(ショウロンポウ)と但仔(タンツー)麺(めん)

数年前に、会社の同僚と1泊2日の弾丸ツアーで訪れたことのある台北。今回は、取材の合間を縫って台湾一の有名レストラン「鼎泰豊(ディンタイフォン)」へ。

言わずと知れた点心、特に小籠包(ショウロンポウ)が有名なお店で、自社ウェブサイトによると、ニューヨークタイムズが選ぶ「世界の10大レストラン」に選ばれたこともあるそうです。

日本をはじめ、世界各国に支店があります。わたしもシンガポールや北京の支店に行ったことがありますが、いずれも、ここ本店の味には遠く及ばない印象だったので、久々の「本店の味」に胸が高鳴りました。地元の人にランチタイムより前に行くべしと勧められ、午前11時ごろに店に入りましたが、すでに満席。点心の醍醐味(だいごみ)はセイロのふたを取った時に広がる真っ白な湯気。セイロのなかには、ズラリと並ぶ小籠包。ハフハフ言いながらほおばり、ジュワっと口の中に広がる肉汁。そのジューシーさが、タマりません。「これぞ、本店の味!」、感動です。海老シュウマイなども食べましたが、ここは断然小籠包です。

 

続いては、地元の人が勧めてくれた但仔(タンツー)麺(めん)。いわゆる台湾風ラーメンです。おしゃれな店内に、こじんまりした昔ながらの屋台を再現しています。この店は、台南が発祥なので、オリジナルの台南風はスープ少な目で、濃い味が売りです。わたしがあえてスープが多く、薄味の台北風を注文しました。海老のダシが効いていて、スープにコクとうまみがあります。肉そぼろのトッピングもグーです。控えめな量なので、これなら2杯は食べられそうです。飲んだあとにもお勧めです。