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第2次世界大戦中にマラッカ海峡で沈没した旧日本海軍の潜水艦「伊-166」の遺族が、戦後60年目に執り行った海上慰霊祭を取材しました。実兄の向井
栄さんを亡した本岡文子さんが言った言葉が忘れられません。本岡さんはもう90歳に手が届く年齢のおばあさんだ。「きょうは本当にお兄さんに会えるんですよ。どきどきします」本岡さんは、長い間、お兄さんの最期を気にかけていました。
60年前、本岡さんが横須賀でお兄さんと最後に交わした、お兄さんの言葉を決して忘れないといいます。「自分は死ぬのは何とも思っていない。おまえたちが、あとになってつらい思いをするのが一番つらい。だったらいっそのことお兄ちゃんがいなかったものと思ってくれ」お兄さんはそういって玄関を出て行ったということです。そんな最後の言葉を残してマラッカ海峡で戦死したお兄さんをようやくこの日、供養することができたのです。栄さんが乗っていた旧日本海軍所属の潜水艦は、ミッドウェー海戦になど参加し、1944年7月17日、マレーシアのペナンからシンガポールに向けて航海中に、イギリス潜水艦の攻撃を受けて沈没した。資料などによると、88人が艦内に閉じこめられたまま死亡した。
遺族たちは61年前に潜水艦が沈没した地点、マラッカ海峡へと向かった。マレーシアの港を出発しておよそ3時間、長年のようやく特定した潜水艦の沈没地点で、24人の遺族がそれぞれに親、兄弟たちに別れを告げた。本岡さんも、栄さんが大好きだったお茶をささげて、61年ぶりに思いを果たした。しかし、沈没地点こそ特定したものの、艦隊は海底調査にもかかわらず、いまだ発見までには至っていない。旧日本軍が失った120以上の潜水艦のうち、その沈没場所さえ特定できないものは、まだ依然として多く存在するといいます。
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