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■マレーシア総選挙

マレーシアに駐在して初めて迎えた総選挙。今回は、スキャンダルで辞任したチュア・ソイレック保健相の息子、チュア・ティーヨン氏(31)に密着しました。父親のソイレック保健相は、ホテルで女性と密会し、性交渉に及んだ隠しカメラ映像が流出。妻子ある大臣の不倫行為に国内で批判が高まり、閣僚を辞任、議員も引退することになりました。父親の突然の引退で、出馬を余儀なくされたのが、息子のティーヨン氏。これまでは、公認会計士をしていたので、政治の世界での知名度はほとんどゼロ。今回の選挙キャンペーンでは、元閣僚の父親を前面に押し出しての選挙戦となりました。


左がチュア・ソイレック元保健相  
左がチュア・ソイレック元保健相    

 

これまで人前で話すことがなかったティーヨン氏。一番苦手なのが選挙演説です。マレー系・中国系・インド系が混在する他民族国家のマレーシアでは、民族ごとに住む地域や政治団体が違うため、場所ごとに演説する言葉を変えなければいけなせん。大学、大学院と英語圏のオーストラリアで学んだティーヨン氏は、公用語のマレー語があまり得意ではありません。また、自宅で使っている広東語は、中国語の方言なので、中国系の人たちが集まる場所での選挙演説では、普通語(北京語)を使わなければならないのですが、こちらも苦手。結局、キャンペーンで訪れた会場でも演説するのは父親ばかり。ついこの前まで現役の閣僚だった父親に、まさに「おんぶに抱っこ」状態でした。


 

選挙の結果は、ティーヨンさんが所属する与党連合が、物価高や民族間の不公平さなど、国民の批判を受け大敗。改選前は、約9割の議席を独占していましたが、かろうじて過半数を確保するにとどまりました。そんな逆風の中でも、ティーヨンさんは、対立候補に大きな差をつけ、初当選。父親のスキャンダルを乗り越え、議席を守ることができました。ティーヨンさんは「選挙の結果が示すように、父親の過ちを選挙区の人たちはもう水に流してくれています。そして、わたしに政治家として活躍するチャンスを与えてくれました。わたし自身もその期待に応えなければなりません」と決意を新たにしていました。