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ピグミーエレファント
(FNN「スピーク」2003年10月27日放送 
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新種のゾウを発見か。ピグミーエレファントを探せ!

〜ボルネオ島潜入取材〜

マレーシア・ボルネオ島で新しい種類のゾウが誕生したという話題です。


ボルネオ・ピグミーエレファントと命名されたこのゾウ、WWF(世界自然保護基金)の調査などで新種のゾウである確率が高いとされました。今回は、わたしが自らジャングルに潜入取材しました。

なんといっても特筆すべきは、このボルネオ島では、ホンモノの「ジャングルクルーズ」を体験できるのです。ボルネオ島のサンダカンからボートで2〜3時間。映像にもあったように、マングローブをくぐり抜けていく様はまさに圧巻。東京ディズニーランドにいる「驚かせるのが上手な船長さん」こそいませんが、ホンモノのオランウータンやテングザルなどに出会うことができるのです。WWFマレーシアでは今後、「ピグミーエレファント」を観光ルートに組み入れていくことも検討しているようです。

自然派が大好きというあなた、マレーシア・サバ州だけに生息する「ピグミーエレファント」を見て癒されてみるのはどうですか。


バラの時代
20年以上にわたってASEAN(東南アジア諸国連合)の中心にいた巨星が去った。いや、表舞台から姿を隠したといった表現の方が良いかもしれない。イスラム教の断食月が始まったことし10月末、一時代を築いたマレーシアのマハティール前首相の後を受け、アブドラ・バダウィ氏が首相に就任した。

日本では、なじみの薄いアブドラ首相だが、マレーシアでは以前から、「パ・ラー( = ラーおじさん、『ラー』とは『アブドラ』の愛称)」と、庶民の間から親しみをもって呼ばれていた。このアブドラ首相は以前、外務大臣を務めていたこともあり、外交手腕が期待されていたものの、日本を含む外国メディアにとって、なかなか取材機会が得られず、人柄を含め、どういった外交を展開するのかまったく未知数であった。
そのアブドラ首相に取材をする機会がやってきた。東京で行われた日本とASEANの特別首脳会議の前に海外メディアとして初めて、一部日本メディアに対して取材に応じたのだった。
会見では、自衛隊派遣問題や北朝鮮問題など答えるのが難しいような記者からの質問に対し、何とか答えようとしている姿勢に好感が持てた。前首相のように答えにくい質問にはジョークで切り返したり、煙に巻くようなことはなかった。

ASEANは今、新たな時代に突入しようとしている。かつてのようにメンバーの中の有力な国の指導者が共同してASEAN全体を引っ張っていくのではなく、日本や中国などの大国とFTA(自由貿易協定)を結び、東アジア全域の枠組みで動く形に変わろうとしている。それを考えたとき、絶対的な存在感のある首相よりも実直で問題処理能力のある等身大の首相の方が円滑な外交が進められるのかもしれない。



先生はサル?
ことしも、はや師走。マレーシアでは11月下旬にイスラム正月を迎え、すでに正月気分だが、毎年この時期になると、取材を行うのが新年用の干支(えと)企画だ。
こうした「お題」がある取材は意外に難しいものだ。

というのも、視聴者の方も「お題」に対する期待と潜在観念があるからで、意表を突こうとすると、どうしてもネタ選びに苦心することになる。去年の干支取材はインドネシア・中部ジャワに伝わる闘うために鍛えられた特別な羊同士が角を突き合わせる「闘羊」という珍しい行事だったのだが、これも大変だった。
あまり知られていない行事なので、風のうわさを手がかりに現地のリサーチャーに調査に行ってもらい、手元に情報が入ってきたのが、年に1度の闘羊の日の1週間前、大急ぎで装備を整え、現地に向かい、滑り込みで取材を行った。
そして迎えたことしの干支企画、お題は「サル」。サルのネタは東南アジアの定番ともいえるもので、過去、さまざまな企画が放送されてきた。硬派ネタの「オランウータンの保護問題」から「ヤシ取り猿」まで視聴者の興味を引きそうなものはほとんど網羅されているといっても過言ではない。
そこで今回は、視点を変えて、人のふんするサルに焦点を当てるという形で、変化球を投げてみることにした。
取材地はインドネシア・バリ島、神々が宿る島だ。ここの伝統舞踊に「バロンダンス」というものがある。「世の中には必ず善悪があり、片方がなくなることはない」ということを具現した踊りだが、この踊りはまた、登場するキャラクターが多いことでも知られる。
その数は15種類以上。その中で最も難しいとされるが「サルの踊り」だ。この踊りは身近にいる動物を演じるだけに、普通の舞では観客が満足するサルを演じることができないからだ。サルの踊りがすべてのバリの踊りの基本といわれるゆえんだ。

バロンダンサー歴40年以上のクルクルさんは、若いころから今に至るまでサルの踊りの練習を欠かさない。この練習は伝統のもので、島内のサルの棲(す)む森に入り、サルと同じ動きをひたすら真似るというものだ。早いものでも習得するのに3年はかかるという。
クルクルさんの舞を見た。63歳の柔和な顔がサルの仮面をかぶったその瞬間、一変する。周囲に野生の緊張が走り、わたしたちが一瞬たじろいだその刹那(せつな)、「キキッ」。
そこには怒りをむき出しにした「本物」のサルがいた。