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| ■ボレそば |
最近、ちまたでよく使われる言葉で気になる言葉がある。それは「コラボ」だ。
コラボ = コラボレーションはもともと、「合作する」とか「共同する」といった意味で、「有名ブランド同士のコラボでダブルネームが実現」といった使われ方をする。しかし、「それはコラボというより単なる抱き合わせじゃないのか?」と疑問を感じることも多々ある。 
そんな乱用気味の「コラボ」だが、近ごろ、マレーシアで活躍している日本政府関係者と話していて、話題にのぼった「コラボ?」には大いに関心を持った。
マレー半島のほぼ中心に位置する「キャメロンハイランド」は、松本清張氏の小説「熱い絹」でも有名な高原で、この小説のモデルになった失跡したタイのシルク王「ジム・トンプソン」が滞在した別荘「月光荘」が現在も残されている(もっとも日本円で3,000万円程度で売りに出されているが)ほか、マレーシアの国蝶(チョウ)「ラジャ・ブルック」の群生が見られることから日本人観光客も多い。
キャメロンハイランドは毎年、雨期になると、必ず土砂崩れが起きて大きな被害が出る。そのうえ、土砂が川に流れ込み、生態系にも少なからぬ影響が出る。こうしたことから、ある日本の大企業が土砂をせき止める部材をマレーシア政府に売り込もうと、前述の政府関係者に相談したのだった。その関係者いわく、「ただせき止めるだけじゃ売れないでしょう。何かプラスアルファがなければ」。そこで彼が提案したのが「ワサビの栽培」だった。土砂をせき止めて、きれいになった水をアピールできるということで思いついたそうだが、これだけでは無理があるような気がする。

しかし、「コラボ」をすると、この事業、一気に成功に向かって動き出す可能性がある。実はこのキャメロンハイランド、老後を過ごしている日本人が多く、彼らが地元への貢献を目的に、去年から本格的にソバの栽培を始めているのだ。このソバ栽培、気候的にも適していたと見え、試作品は日本製にも劣らぬ、なかなかの出来栄えだったそうである。資金力のある大企業と時間と経験のある高齢者と現地のマレー人との「コラボ」でマレーシアの密林の中にソバの名産地ができる。想像しただけで楽しみな話である。
マレーシアの人たちは、実際には非常に難しいことに向かうときでも大抵の場合、笑顔でこう言う。「ボレ、ボレ」。「ボレ」とは日本語に直すと「できるさ!」といった意味の言葉。事業が成功し、最高のソバ粉とワサビがそろったマレーシアのそば、名前はさしずめ「ボレそば」といったところか。
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