「サリン」空爆に報復 米軍がシリア攻撃

04/07 19:11
なぜアメリカ軍は、このミサイル攻撃を行ったのか。化学兵器「サリン」によるものとみられる攻撃を受けて、苦しむシリアの市民。女性や子どもを巻き込んだ、この攻撃への報復として、アメリカ・トランプ政権は、シリアのアサド政権の軍事施設に、巡航ミサイル59発を撃ち込んだ。
アメリカ軍は、日本時間の7日朝、シリアの軍事施設を標的に、巡航ミサイルを立て続けに発射した。
その数、59発。
トランプ大統領は、「わたしは今夜、化学兵器の攻撃を行ったシリアの飛行場への攻撃を命じた」、「シリアでの虐殺と流血の事態を終わらせるよう、全ての文明国に求める」と述べた。
ミサイル攻撃が行われたのは、日本時間の7日午前9時40分ごろ。
今回の攻撃は、地中海に展開するアメリカ軍の駆逐艦から、化学兵器による空爆の拠点となったとされる、アルシャイラート空軍基地を狙って行われた。
シリア政府筋などによると、この攻撃で、シリア政府軍の兵士6人が死亡。
基地は、ほぼ完全に破壊されたという。
この攻撃のきっかけとなったのは、4日、シリア北部イドリブ県の反体制派が支配する地域で、シリア政府軍が化学兵器を使用したとみられる空爆。
100人以上の死者と数百人といわれる負傷者が出た。
負傷者は、「(攻撃されたのは)昼の礼拝の時間でした。覚えているのはそれだけです。今までにかいだことがない臭いでした。最初に刺激を感じて、そのあと、めまいがした」、「煙は黄色でした。煙を吸ったあと、呼吸が苦しくなりました」などと話した。
治療にあたった医師は、凄惨(せいさん)な状況を証言した。
治療にあたった医師は「わたしが診た人は、普通ではない状態で、頭を振っていた」と話した。
この空爆に使われたのは、禁止されている化学兵器「サリン」であった疑いが浮上。
治療にあたった医師は「(負傷者は)ボロボロ泣いているけど、本人は泣いていることがわからない」と話した。
サリンとみられる化学兵器で苦しむ人々。
それを洗い流そうと、周囲の人々が懸命に水をかけていた。
呼吸器をつけ、苦しそうにする子ども。
手がけいれんし、白目をむいている子どももいた。
被害に遭った子どもたちは、「(何があったのか教えて?)おばあちゃんに会いたい」、「戦闘機が僕たちを攻撃してきた時、寝ていました。僕は、父と外に出たけど、頭にけがをしました。眠気を感じて、気がついたら、この病院にいました」などと話した。
病院に運ばれた人々は、瞳孔が小さくなり、呼吸が荒くなるなど、サリンによる被害と症状が一致していた。
猛毒サリンは、第2次世界大戦中にナチスドイツ軍が開発。
日本でも、オウム真理教が1994年から翌年にかけて起こした事件で、あわせて21人が死亡。
今も後遺症に苦しんでいる。
「これは、人類に対して『侮辱的な行為』だ。ひどすぎる」と述べたトランプ大統領。
しかし、シリア政府は、化学兵器の使用を否定。
敵対する多くの国による情報のねつ造が行われたと、反論した。
5日に行われた国連安全保障理事会の緊急会合で、アメリカのヘイリー国連大使は、犠牲となった子どもの写真を手にし、「この写真から目を背けてはいけない。ロシアが対処する前に、あと何人の子どもが犠牲にならなければならないのか」と、アサド政権の支援を続けるロシアを批判。
欧米各国とロシアの主張が対立し、非難決議案の採決には至らなかった。
ロシアの報道官は、「プーチン大統領は、今回のアメリカ軍の攻撃は、主権国家に対する侵略と考えている」として非難し、安保理の緊急会議を招集するよう要請した。
イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビアなど各国が、続々とアメリカの攻撃を支持する中、安倍首相は7日午後3時すぎ、「化学兵器の拡散と使用は絶対に許さないとの米国政府の決意を、日本政府は支持いたします」と述べた。
トランプ大統領は「シリアの独裁者アサドが化学兵器を使って、罪なき市民に攻撃を行った。かわいい乳児さえ、残酷に殺害された。どんな子どもも、こうした恐怖を味わうべきではない」と話した。
アメリカがアサド政権下のシリアにミサイルを撃ち込んだのは、今回が初めて。
それはくしくも、初となる米中首脳会談の期間中に行われた。
北朝鮮への圧力をめぐる会談の行方は。

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