なぜ今...アメリカがシリアをミサイル攻撃

04/08 00:52
米中首脳会談のさなかに、なぜトランプ大統領は、シリアへの軍事行動を決断したのか。
さらに、どのように国際社会に波紋を広げていくのか。
暗闇の地中海で、アメリカ軍の駆逐艦から放たれる、巡航ミサイル「トマホーク」。
10秒ほど経過すると、今度は画面手前から発射された。
その数59発。
標的は、シリア政府軍の軍事基地だった。
一方、ロシアテレビが伝えた空爆後の基地の様子。
道路の一部や倉庫などが破壊されていることがわかるが、戦闘機はトンネルのような防空施設の中で守られていた。
アメリカのトランプ大統領は「シリアでの虐殺と流血の事態を終わらせるよう、全ての文明国に求める」と述べた。
アサド政権への軍事攻撃に、初めて踏み切ったアメリカ。
事の発端は4月4日、シリア北部イドリブ県の反体制派が支配する地域で、シリア政府軍が化学兵器を使用したとみられる空爆。
病床のうえで、「おばあちゃんに会いたい」とつぶやく男の子。
額には、負傷者につけられているマークがあった。
別の子どもは、手がけいれんしていた。
この空爆に使われたのは、化学兵器「サリン」とみられ、100人以上の死者が出たと報じられている。
この映像に、いち早く反応したのが、トランプ大統領だった。
トランプ大統領は「これは人類に対して、侮辱的な行為だ。ひどすぎる」と述べた。
そして、アサド政権側に対し、レッドライン「一線」を越えたとして、巡航ミサイル発射に踏み切った。
トランプ大統領は、「シリアの独裁者アサドが、無実の市民に対し、化学兵器を使って攻撃を行った」、「かわいい赤ちゃんたちも、無慈悲に殺されたのだ」などと述べた。
一方、アサド政権側は、化学兵器の使用を否定したうえで、「批判されるべきはアメリカの攻撃で、今までずっとアメリカがとってきた誤った政策の証しである」とし、シリア政府軍の兵士6人が死亡したことを発表した。
アサド政権と反体制派が国を2分する「今世紀最悪の人道危機」と呼ばれる、内戦状態にあるシリア。
そのアサド政権側は、シリア国内に基地を持つロシアが支援に動く一方、反体制派には、アメリカなど有志連合が後ろだてしており、シリア内戦は、いわばアメリカとロシアの代理戦争ともいえる。
近年は、反体制派が弱体化。
アサド政権側にとって、有利な状況だったにもかかわらず、なぜあえて、このタイミングで化学兵器を使用したとみられるのか。
軍事ジャーナリスト・黒井 文太郎氏は「アサド政権は、ほかの爆弾であっても、化学兵器であっても、あまり区別していないと思う。何を使っても、勝てばいいんだと。アメリカの目線は、『イスラム国』の方に向いているということで、今なら大丈夫だろうと高をくくった。(アメリカの攻撃は)誤算です。間違いなく」と話した。
これまで、アメリカが「世界の警察」になる必要はないと主張していたにもかかわらず、立場を一変させたトランプ大統領。
強く反発しているのが、アサド政権を支援しているロシア。
ロシアのラブロフ外相は「これ(アメリカの攻撃)は、作為的な口実に基づく、侵略的行為である」と述べた。
ロシア外務省は7日、これまで米ロで、シリア領空で偶発的に衝突しないように結んだ覚書について、「履行を停止する」との声明を発表した。
プーチン大統領も「米ロ関係に重大な損害をもたらす」としている。
シリア情勢をめぐり、米ロは一気に緊張感が高まっている。

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