私たちの生活にどう関わる? 「テロ等準備罪」

04/16 18:45
来週から、実質的な審議が始まる「テロ等準備罪」について取り上げます。
フジテレビ「ホウドウキョク」平松秀敏デスクの解説です。

(テロ等準備罪、一番の特徴は?)
そもそも、日本の法律の大前提は、起きた犯罪を処罰するということ。
これに対して、起きる前の、まだ起きていない犯罪、起きそうな犯罪を処罰する、これがテロ等準備罪。
たとえば、あるテロ組織が爆弾テロを計画したとする。
その計画に関わった誰かが、現場の下見などの「準備行為」をした場合、まだ爆弾テロを起こしていないにもかかわらず、この計画に関わった全員が処罰される、これがテロ等準備罪。

(普通に生活していれば、関係ないと思っていい?)
テロ等準備罪には、非常に厳格な要件がつけられている。
捜査の対象は、組織的な犯罪集団に限られており、単に計画を練っただけではなく、ある程度の準備行為に及ばないと、処罰対象にはならない。
こうして見ると、一般社会に関係ないように見えるが、100%そうとは言い切れない。
なぜかというと、わたしたちの身近なメールや、LINEのやり取りでも、テロ計画に合意したと見なされうるため。

(どんなケースが考えられる?)
極端なケースだが、説明をしたい。
A子さんという女性がいて、ヨガ教室に入会していたが、ヨガ教室がいつの間にか、テロ組織に変貌していた。
ある日、会員同士のLINEで、「例のイベントは予定通り、来週実施されます」というLINEが来た。
実は、この「イベント」というのは、テロを計画しているメンバー同士では、「爆弾テロ」を意味する暗号だった。
ただ、A子さんはこれを知らないため、何気なくLINEを既読にしてしまう。
この場合は、どうなるのか。
A子さんは、ヨガ教室の裏の顔を知らず、テロ計画にも関与していないので、逮捕されることはないと思われる。
ただ、LINEのメンバーには入っており、実際に既読もしているので、警察の家宅捜索の対象になりうる可能性は非常に高いと、わたしはそう思う。

(知らない間に巻き込まれうる可能性はある?)
そういうことになる。

(政府は、今国会で成立させたい、審議をスピードアップさせていこうというように見える。なぜ、急ぐのか?)
背景には、TOC条約(国際組織犯罪防止条約)というものがある。
テロなどの国際的な組織犯罪を、世界協力して封じ込めようというもとで、たとえば世界的な捜査機関がお互いに協力しよう、犯罪者の引き渡しをスムーズにしようという条約。
このTOC条約は、世界のほとんどの国が締結しているにもかかわらず、日本は入れていない。
なぜかというと、TOC条約に入る条件として、テロ等準備罪などの法整備が必要とされているため。
そのため、日本政府は、オリンピックに向けて、なんとかTOC条約に入らなければならないため、法整備を急いでいるということ。

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