内田前監督・コーチ「相手をつぶせ」“危険タックル”選手が謝罪

05/22 18:15
危険タックルをした選手本人が決意の記者会見を行い、内田前監督とコーチによる指示だったと明言した。

宮川泰介選手(20)は、「本件により、けがをさせてしまった関西学院大学のアメリカンフットボール部のクオーターバックの選手、およびそのご家族、関西学院大学アメリカンフットボール部とその関係者の皆さまに対し、大きな被害と多大なるご迷惑をおかけしたことを深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

また、宮川泰介選手は、「コーチから伝えられた言葉は、『つぶせ』という言葉だったと思うんですが、先輩を通じて、『どこでもいいからつぶしてこい』とは、秋の関西学院との試合の時に、(コーチが)『秋に相手のクオーターバックが、けがをしていたら得だろう』という言葉もあり、けがをさせるという意味で言ってるんだろうと、僕は意識していました」と語った。

危険タックルの指示があったことを会見で明らかにした、日本大学アメリカンフットボール部の宮川泰介選手。
反則行為を指示された経緯を説明した。

宮川選手は、「5月3日の実戦形式の練習で、プレーが悪かったということで、コーチから練習を外されました。このころは、監督・コーチから『やる気が足りない』、『闘志が足りない』という指摘を受けるようになっていたので、このプレーをきっかけに外されたのだと思います。そのあと、全体のハドルの中で、監督から『宮川なんかは、やる気があるのかないのかわからないので、そういうやつは試合に出さない。辞めていい』。井上コーチからは、『お前が変わらないかぎり、練習にも試合にも出さない』と言われました」と語った。

そして、宮川選手は「5月4日、練習前に監督から『日本代表に行っちゃだめだよ』と、当時選抜されていた、ことし6月に中国で開催される第3回アメリカンフットボール大学世界選手権大会の日本代表を辞退するように言われました。監督に理由を確認することは、とてもできず、『わかりました』と答えました」、「5月5日、この日も実戦練習を外されていました。練習後、井上コーチから、『監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、相手のクオーターバックを1プレー目でつぶせば出してやると言われた。クオーターバックをつぶしにいくので、僕を使ってくださいと監督に言いに行け』と言われました」と語った。

「つぶせ」という表現の指示は、確かにあったという。
そして、この「つぶせ」の意味について、宮川選手は、「井上コーチから、『相手のクオーターバックと知り合いなのか? 関学との定期戦がなくなってもいいだろう。相手のクオーターバックがけがをして、秋の試合で出られなかったら得だろう。これは本当にやらなくてはいけないぞ』と念を押され、髪型を坊主にして来いと指示されました」、「相手をつぶすくらいの強い気持ちでやって来いという意味ではなく、本当にやらなくてはいけないのだと思い、追い詰められて悩みました」などと語った。

そして、試合当日には、やらなくては試合に出られない状況に追い込まれていたという。
宮川選手は、「監督からは、『やらなきゃ意味ないよ』と言われました」と語った。

反則を繰り返し退場した直後には、涙があふれてきたという宮川選手。
その時の気持ちについて、宮川選手は、「(試合直後、涙を流されたということですが、つまり、その直後から、もう大変なことをやってしまったという思いがあったということでしょうか?)直後からありました。監督、コーチからの指示、自分で判断できなかったという自分の弱さだと思っています」と語った。

後日、宮川選手は、相手選手に謝罪したいという考えを内田監督に伝えたという。

しかし...。
宮川選手は、「相手方選手と家族に謝りに行きたいと申し入れたところ、監督からは『今はやめてほしい』と言われました。父から、監督・コーチから選手に対して、対戦校のクオーターバックにけがを負わせろと指示を出し、選手はそれに従っただけである旨の公表を求め、そのメモを先方に渡しましたが、公表できないと断られました」と語った。

そして、宮川選手は「(日ごろから監督の指示を否定できない空気だった?)そうです。基本的に、監督と直接お話しする機会はあまりない」、「意見を言えるような関係ではなかった」と話した。

これまで明かされてこなかった、監督・コーチによる指示。
日大、内田監督は先日、かたくなに指示の有無について明言を避け、辞任を発表した。

この会見の直前には、負傷した選手やその保護者らに謝罪をしていたが、21日夜、けがをした選手の父親・奥野康俊さんは、「チームがしたことを監督が責任を取る、ただそれだけでしか聞こえませんでした」、「指示をしたのかしていないのか、その1点を、それはのちのほど答えますと。その点と、これから調査を出しますと。調査をするということは、どういうことなのかなと、ちょっと理解できなかったです」、「家族で話し合った結果、被害届という形で、本日、家内と私と息子の3人で、受理をしていただきました」などと語った。

日大への不信感を募らせた父親は、大阪府警に傷害容疑で被害届を提出した。
その場では、真相究明を求めるとともに、「(対応によっては被害届を取り下げる?)日大の対応によって、それは息子と家族で相談して、関学サイドの方々とも情報共有して決めたいと思っている」とも語っていた。

宮川選手は、今後について、「アメリカンフットボールを今後、僕が続けていく権利はないと思ってますし、この先、アメリカンフットボールをやるつもりもありません。なので、今のところ、何をしていくべきかもわからない状態です」、「好きだった(アメリカン)フットボールが、あまり好きではなくなってしまった」などと話した。

22日の会見を受け、日大側は今後、どう対応するのか。