「勤労統計」問題 追加給付へ 厚労省 不適切調査を謝罪

01/11 19:59
「毎月勤労統計」の一部の調査が不適切だった影響で、雇用保険などが延べ2,000万人に少なく給付されていた問題で、厚生労働省は謝罪するとともに、対象者にはさかのぼって追加給付すると発表した。

毎月勤労統計調査では、従業員500人以上の事業所では、全ての事業所が調査対象になっているが、東京都では3分の1の事業所しか調査していなかったことが明らかになっている。

厚労省は11日、一連の問題について謝罪するとともに、この統計をもとに雇用保険などが過少給付された対象者は、延べ2,000万人程度、総額は、567億円にのぼると発表した。

厚労省によると、東京都には500人以上の事業所が集中しているため、全てを調査しなくても精度が確保できると、マニュアルに記載されていたという。

菅官房長官は「今般統計の信頼性を損なう事態が生じたことは、甚だ遺憾であり、国民の皆さんにご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げたい」と述べた。

菅官房長官は今回の問題を受け、失業保険などの追加給付に向け、2019年度予算案を修正する方針を示したうえで、政府の56の基幹統計について不備がないか点検するよう、関係省庁に指示した。

立憲民主党・長妻代表代行は「日本の国家としての信頼性が揺らぐ、揺るがしかねない大きな問題」と述べた。

一方、野党側は国会で厳しく追及する構え。

厚生労働省が行っている統計調査が不適切だった問題について、くわしく見ていく。

毎月勤労統計調査は、賃金や労働時間などの変動を把握するため、厚生労働省が毎月実施しているもの。

何に使うのかというと、景気判断、雇用保険などの算出、日本のGDP(国内総生産)の算定などのもとになっている大事なデータ。

この調査方法が不適切だった。

実際には、ルールが決まっている。

まず、対象となるのは従業員が500人以上。

全ての会社を調査しなければならない。

ただ、東京都は厚生労働省からの指示で、全てを調査するはずが3分の1程度しか調査をしていなかった。

すると、この結果、平均給与が下がってしまっていて、雇用保険や労災保険など、本来あてがわれる実質の部分よりも550億円以上少なく給付されていた。

影響を受けた人が、延べ1,973万人もいたという。

そもそも、不適切な調査期間はいつからなのか。

11日に会見をした根本厚生労働相が話したが、2004年から2017年の14年間にわたって。

さらに、そのきっかけはなんだったのか。

根本厚労相は、東京都には500人以上の会社が多く、全て調査しなくても精度を確保できると判断したと述べた。

しかし、厚労省は、過去においてさかのぼれば、消えた年金事件とか、2018年の国会のポイントになった裁量労働制、労働時間のデータ調査がずさんだったという過去がある。

そして今回に関していえば、2018年の1月に外部からの指摘があって調査方法を変更してデータの補正も行っていた。

こうしたことから、今回の事案、500人以上の全事業所を調査していなかったという事実をごまかそうとして調査方法も変更したのではないか。

どこかに、うさんくささがあるんじゃないかという指摘についてはどうか。

実際に11日、会見の中で記者から隠ぺいなんじゃないかという質問が飛んだが、根本厚労相は2018年1月、調査方法を変更。

「隠ぺいなのか」という問いに対して「報告を受けている限り、隠ぺいの事実はない」と述べた。

あらためて、厚労省、今回の会見で過少給付してしまった人に対しては、追加で足りない分を補うということで、専用の電話番号を設けている。

さらにいうと、今回の事態というのは、結局は予算案とかGDPの算出方法に対して疑義が問われるということは、つまり、やり直しが求められることになる。

つまり、国の根幹となる、そのデータをわれわれは信頼して原稿も書くわけで、全てのものの基本から問い直されてしまうことが1つ。

もう1つ、2019年は、選挙イヤー。

統一地方選挙、参院選挙がある中で、通常国会開幕前に野党は閉会中審査を求めるなど盛り上がっている。

国会に入った時に、この問題、どのように野党側が政府、厚労省の不備を追及して、どこの時点で誤りが起きたのか、どのように算定方法の変化が行われていったのか。

そこの部分を明らかにすることが、野党のポイントになるし、それに対してきちっと説得力を持った説明ができるかどうかが、選挙の結果に直結する非常に重要な局面に、新しい火種が出てきたという状況。

まさにこの調査、期間が2004年から2017年と非常に長かった。
なぜ、こんなことが起きてしまったのか。

野党としては、政府を疑問視し、これから厳しく追及していく構えだということ。

追加支給の問い合わせは「雇用保険(0120-952-807)」、「労災保険(0120-952-824)」、「船員保険(0120-843-547)」。

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