「複雑な15年」曽我 ひとみさん会見

09/14 01:53
「たいへん複雑な15年間だったと思います」と心境を語ったのは、北朝鮮による拉致被害者の1人、曽我 ひとみさん(58)。帰国から10月で丸15年を迎えるのを前に、14日、会見を開いた。
曽我さんは「最近は、ミサイル発射の報道しかないような感じで。でも、わたしにはミサイル、核よりももっと大切な、拉致問題という大きな問題があります」と話した。
北朝鮮が核・ミサイル開発に明け暮れる一方で、置き去りとなっている拉致問題。
安倍首相は2014年5月、「固く閉ざされていた拉致被害者救出の扉を、まずは交渉の扉を開くことができたと思う」と述べていた。
北朝鮮は3年前、日本人拉致被害者らの「全面再調査」を、日本政府に約束。
ところが、2016年2月に、北朝鮮側は、これを一方的に破棄している。
曽我さんは「再調査をするというのは、わたしにとっては、ちょっと半信半疑のうれしさだったんですけれども、それがもう、調査はしない、それで今の状況が核・ミサイルなので、本当に何を考えているのかなという、怒りだけが今、残っています」と語った。
繰り返される北朝鮮の裏切りに対して、込み上げる怒り。
そして、先の国連安保理で決まった北朝鮮への制裁強化については、曽我さんは「被害者の方々に影響が及ぼすという、難しい面があると思うんですが、とにかく、どんな方法でもいいので、皆さん全員を、1日も早く帰してくださいという気持ちだけです」と語った。
制裁強化は、北朝鮮でとらわれの身となったままの日本人拉致被害者の生活へも影響を与えかねない。
今回の制裁決議に対し、13日朝、北朝鮮外務省が強く反発する声明を発表。
「極悪非道な挑発行為の産物である...と、峻烈(しゅんれつ)に断罪、糾弾し、全面排撃する」としている。
核・ミサイル開発をいっそう加速させる姿勢を鮮明にした。
一方で、韓国軍は、北朝鮮への対抗措置として、「斬首作戦」での使用も想定される、空対地誘導ミサイル「タウルス」の発射訓練を、初めて実施した。
タウルスは、標的目がけて水平飛行、到達する直前に急上昇したあと、垂直に落下して、標的を破壊する。
こうした中、スイスでは、北朝鮮の代表団も参加していた、安全保障に関する国際会議が閉幕。
北朝鮮外務省北米局のチェ・ガンイル副局長は、「わたしが何を話したかは、後日話します」と述べた。
会議では、チェ・ガンイル副局長と、アメリカ政府の元高官との間で、激しい議論が交わされたと、ロシアからの出席者は証言する。
会議に出席していたロシア人担当者は、「(アメリカと北朝鮮の会話はあった?)とても突っ込んだ議論だった」と話した。
さらに、外務省の鯰(なまず)アジア大洋州局参事官も、チェ氏と接触し、北朝鮮の挑発行動について、厳重に抗議し、国連安保理決議の順守を強く求めた。